通信制大学→社会人大学院

通信制大学を卒業し今度は社会人大学院で修士(経営学)の取得を目指します。

論文の集め方

こんにちは。

来週から後期の講義が始まります。前期の成績はと言うと…

ということでした。まぁ、学部と違って所要単位数も少ないし、コースワークも修論テーマに紐付けた形で進めていく必要があるしと言った違いの方が大きいですからね。

さて、夏休みの間は何をしてたかというと、ひたすら論文読みまくってました。社会人大学院らしく、夏期集中講座みたいなのも開講されてたのですが、分野も全く異なるし、そんなことより研究テーマ固めてリサーチ・クエスチョンを出す準備の方が大事ということで、その手の講座は全パスしました。結果的にこの選択が正しかったわけですが。

そんなこんなで読みまくった論文をどうやって集めてきてたか?というところについて今日は触れてみようかと思います。

1. Google Scholar

https://scholar.google.com/

言わずもがなのサイトですね。とりあえずここあたれば何とかなります。
Googleはみずからのミッションを

"Organize the world's information and make it universally accessible and useful."
(世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする)

と宣言していますが、学術論文についてもその取り組みのスコープに当然入っているということですな。

ちなみに、Python使える環境の方は、Google Scholarの論文をCSVにリスト形式で吐き出すというスクリプトがあります。これ上手く使えば、思い通りの順番で論文のタイトルとかURL/DOIを並べることができて超便利です。詳しくは以下のサイトをご参照。

https://link.springer.com/

こちらは原則として英語前提になりますが、分野別や媒体別に論文を検索できるサイトです。ある書籍の一章として収録されている論文なんかの検索もできますので、最新の知見だったり、ニッチなテーマだったりすると、こっちの方が当たりやすかったりするかも。

3. CiNii

人によっては「論文検索はCiNii使え」みたいなこと言われますけど、実はあんまりかなぁ…という気がします。

っていうのも、紀要論文だったり雑誌記事だったり電子化されてない学会誌だったりにあたることが多い上に、そもそも日本の論文メインだったりするので、探したい内容によってはホント使えなくなるケースがあるかなぁと。

CiNii使うときは、

・学会誌がどこの大学図書館に所蔵されているか調べる
・Mendeley(文献整理ソフト。どっかでまたお話しできれば)に取り込む書誌情報を引っ張る
・日本人の特定の著者の論考を探す

っていう目的がメインだったり。

あと、経営学とか金融とかのビジネスに近い分野に取り組んでおられる方は、検索する際、目的の言葉の後に「(半角スペース)-日経」って入力(例:株式上場 -日経)すると幸せになります。

この秋からは他にも取り組むことを増やしたので、より一層勉強漬けの日々になりそうです。その辺りもボチボチ書いていければと思います。

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最近読んでいる本

こんにちは。

今日は完全に自分用メモ&宣伝マンです。

もし参考になる方いらっしゃれば。

読み終わったもの

1. 日本企業の多角化戦略
日本の大企業の多角化について論じた文献。多角化は成長性にプラスに影響し、分権化組織への変容をもたらす。
40年前の書籍だが現代でも当然通用。執筆者は今では経営学の大家ばかり。

2. 戦略本社のマネジメント
多角化戦略・組織構造・業績の関係について実証分析した文献。多角化の最適度は国・企業・状況によって異なる。また、多角化では、本社が理念の統一と事業の多様性のバランスを取った戦略的マネジメントが成否を握っている。

3. ハーバード・ビジネス・レビュー BEST10論文
HBRに発表された論文の中から特に重要な論文を選定。イノベーションのジレンマとかブルー・オーシャンとかポーターとか。

読み始めているもの・これから読むもの

1. グラント現代戦略分析
戦略論の先生からのオススメ。買わなくてもと言われたので図書館で借りてみたものの、これは読むのに数ヶ月かかるで…ということで購入。
お値段もビックリするやつ。

2. 戦略サファリ
これも有名なやーつ。後期の指定教科書でもあるので購入。
たぶん今後の修論執筆で大活躍しそうな予感。

3. 戦略不全の因果
これはゼミのD生に勧めてもらったもの。三品先生も超有名どころ。まだ概要押さえられてない。

というわけで、マジで本のリストでした。

あんまり読んでない感じに見えちゃうかもですが、実際はもっと色々読んでるけど、そのほとんどが論文だもんで、ここでは出てこないです。

ある程度したら、論文リストも公開しても良いかも。

 

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自分なりの研究テーマの絞り方

こんにちは。

今は院の方も夏休み。夏季集中講座みたいなのも開かれているのですが、単位を取るよりも修士論文に向けての基礎作りが大事ということで、この夏の間はそのための書籍・論文読みばかりしています。

指導教員の先生からも『夏休みの宿題』が出ております。

てなわけで、宿題をこなすための研究探しのプロセスなどをご紹介します。

1. まずは手当たり次第に

はじめの取っ掛かりを作るのが一番大事。ですが、この時点では何にも無いということで、まずは自分の研究テーマをGoogle scholarにぶち込んで、近しいものを手当たり次第に取っていきます。

といっても、何でも良いわけではなく、それなりの基準は必要です。
例えば自分の場合、企業の多角化戦略について調べたいので、まずはキーワードで検索するとこんな感じで出てきます。

f:id:max0627:20210829112507p:plain

で、ここで重要なのが「並び順」と「引用件数」

キーワードと関連性の高い順に並べ替えた上で、「引用元」に表示されている数字ができるだけ大きいものを選んでいくようにします。

1つ注意があるとすれば、この時点であまり絞り込まないこと。ちょっと広めに検索した方が良いです。理由は後述。

あと、タイトル名をクリックすると、PDFではなく掲載先のサイトにジャンプします。そちらに要約(Abstract)が載っていれば、それを読んで取捨選択する方が良いです。

ここでまずは近そうなものを片っ端から読んでいくことになりますが、拾った研究を精読するか?というとそんなことはなく…

2. 基本研究を押さえる

「取っ掛かりが必要」とか言っておきながら、なんで片っ端から読んでくの?という話ですが、実は基本研究を押さえたかったのです。
なので、広めに検索してゆるっと集めていくんですね。

「精読しない」というのも同じ理由。集めてきた研究の精読は後回しにし、まずは研究の以下のパートを読んでいきます。

  • はじめに(Introduction)
  • 問題・課題認識(Research Question)
  • 先行研究(Review)
  • 手法(Methods・Research Design)

このあたりでは必ず、「○○はこう言ってた」とか「××の手法によると」みたいな話が書かれています。

そして大体の場合、同じ書籍・論文が引用・参照されていることが分かります。そしてそいつが、基本的な研究であることが多いです。

となると、一番はじめに読むべきはその研究となりますので、まずはそいつから読んでいくことになります。

が、その場合にもいきなり精読はせず、上記のパートから読んでいきます。
というのも、分野・領域によっては、膨大な蓄積が存在するため、ホントの根っこにある研究は今更引用されていないケースもあります。

なので、複数の研究が参照している研究が、さらに参照している研究がないか?という芋づる式での探索も必要になってきます。

このようにして基本的な研究を押さえることで、まずは当該領域の研究を読むための勉強をすることになります。

ちなみに、事業多角化の場合だと、下の研究は必ず出てくると思って差し支えないと思います。

Chandler, Alfred Dupont. Strategy and structure: Chapters in the history of the industrial enterprise.(1962)

Penrose, Edith, and Edith Tilton Penrose. The Theory of the Growth of the Firm. (1959)

Ansoff, H. Igor. Strategies for diversification.(1957)

Rumelt, Richard P. Strategy, structure, and economic performance.(1974)

3. 絞り込んで読んでいく

1・2のプロセスを繰り返してある程度の体系めいたものを整理できたら、徐々に絞り込みをかけていきます。

そのときもGoogle Scholarの機能を使います。

基本的な方に近い文献の名称でまずは検索し、その次に「引用元」をクリックします。

f:id:max0627:20210829120150p:plain

すると、当該文献を引用している研究を引っ張ってくることができます。

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ここでの絞り込み&1のステップでゆるっと集めた研究を必死に読んでいきながら、自分の中にある大きな問いとのマッチングや、問いの絞り込みをやっていくことで、徐々にテーマが仕上がってくるという次第。

でもって、ここ1月ほどはこんなことをずーっとやってますよというご紹介でした。

4. よくある誤解

ここからは指導教員からも言われたよくある誤解などについて。

① 書籍よりも論文を探す

ダメですよー。
領域にもよりますが、基本研究が書籍として出版されている例なんぞ腐るほどあります。

なんでこんな誤解が生まれたのか、自分なりに考えてみたのですが、多分↓あたりが理由かなぁと。

  • そもそも書籍よりも論文の方がヒット数が多く、「論文が優れている」との誤解を生む
  • 研究が書籍にまとまるのには時間がかかる
  • 「教科書を引用しない」こととの混同

特に3つめのところ。でもって、教科書は通常は書籍であることから、「書籍=教科書」と混同する人がいるんだろうなぁという風に思っています。

ちなみに、教科書を論文に引用するのは正しくないですが、テーマ探しや勉強の段階で教科書を使うのは全然OKです。ていうか、むしろ使った方が話が早い。
経営学の領域だと、↓の本なんかは、種々の学説が大きな学問の流れの中でどのように位置づけられているのかを知るのにぴったりだと思います。

書籍抜きで進めようとしても良いことなんか1つもないので、媒体にかかわらず渉猟するようにしましょう。

② テーマを絞り込みながら研究を探す

まぁこれは本論で述べた通りでして。検索能力と情報処理能力がコンピュータ並みの人であれば、絞った内容でいきなり探せるのかもしれませんが、普通の人はそんなことないので、ぼんやりと始めていけばよいのです。

てか、大体において、凡人が考えるテーマなんぞどっかの誰かがひっそりと研究を済ませてることが多いわけで。

そんなことよりも大きな問いからスタートし、幅広に研究を見ていくことで、「あれ?ここなんか違くね?」とか「この辺って触れてる人少ないらしいね」というのが出てくるので、そこにターゲットを設定する方がよっぽど楽に、かつ価値のあるものを作り出せると思います。

③ 新しい研究を優先して探す

卒論・修論の段階で新しい研究がどうなってるかから見ていくなんてムリムリ!

まずはベースとなるところから押さえていくことに注力しましょう。でもって、テーマが絞り込まれてきた段階で初めて、最新の研究のトレンドに触れて、手法やアプローチを学ぶというようにするべきだと思います。

てかそもそも読むための知識が足りまへん。

 

というわけで長々と書いた夏の昼下がり。何かの参考になれば幸いです。

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春学期のおさらい 続

こんにちは。

夏休みに入りましたので、平日のこんな時間でも更新しちゃいます。
昨日の記事の続きとなります。
mba.max0627.com

履修科目の一覧
科目(名称は仮称で) 開講時期 曜日 講義方法
経営学特論その1 春学期前半 月曜日 資料のみ
経営学特論その2 春学期前半 火曜日 Zoom
経営学特論その3 春学期前半 水曜日 非同期動画&Zoom
財務会計特論 春学期前半 金曜日 対面
経営科学特論 春学期後半 月曜日 対面
労務管理特論 春学期後半 火曜日 対面
経営情報特論 春学期後半 水曜日 非同期動画&対面
管理会計特論 春学期通期 土曜日 対面
経営学特別 春学期通期 土曜日 対面
研究公正 春学期通期 - 非同期動画&Zoom&対面
労務管理特論

今学期内では一番ディスカッションが多かった講義です。
ここでいう労務管理とは、一般的に想像される勤怠管理とか給与管理のみならず、採用~退職の全プロセスを対象としています。
社会人大学院ですので、様々な職種・業界・バックグラウンドを持った受講生で構成されたディスカッションは、ときには激しいやり取りなども交えながら、非常に有益なものとなりました。
労務管理修士論文のテーマには関わりがなく、また業務上も学術上もあまり興味を惹かれる分野では無かったのですが、経営・組織構成員・労働者・社会構成員という様々な視座を持つことが要求される分野ですので、トレーニングとしては非常に有益な題材になり得るのではないかと思います。

唯一の難点は、資料が全部紙だったこと…
資料配付だけで冒頭20分くらい削られてたんだよなぁ…

教科書・参考文献は特にありませんでした。

経営情報特論

企業の経営資源として、「ヒト・モノ・カネ・情報」が挙げられるようになって久しいですが、じゃあ経営情報って何?ということを考える講義です。
とはいえ、直接その点にフォーカスするのではなく、経営組織論・経営管理論から掘り起こしつつ、最終的に経営情報の定義を目指そうという進め方でした。

講師の先生がリタイアメントされた実務家教員の方で、ご自身でも最新の社会の時流のキャッチアップをしたいということで、例えば「ティール組織は大企業に成長しうるのか」といったテーマで、受講生と教員が議論をするというような形もあり、少なくとも通信制大学では絶対に無いスタイルの講義でしたので、非常に有益な時間を得られたと思います。

教科書・参考文献はこちら。古い文献であり、翻訳も少し良くないのですが、経営管理について学ぶのであれば簡単には押さえておくべき文献かと思います。

管理会計特論

もうそのまま、管理会計に関するお話しです。
原価計算に始まり、業績管理会計、ABC等の管理手法、戦略マップやBSCなどの戦略立案ツール、最終的には品質マネジメントまで。
管理会計の基礎に関するお話しは一通り押さえられます。

ただ、教員の先生の一方通行的講義だったのと、内容が製造業に偏っていたため、その点は自分での補完ありきだったかなぁと感じています。
もう少し、業種横断的なアジェンダや、双方向での議論が欲しかったなぁと感じる次第です。

教科書・参考文献は特にありませんでした。

経営学特別

毎回、ゲストスピーカーを招いての講演という講義でした。
主には関西の企業や団体の経営者だったり、様々な取り組みに関与されている方をお招きし、関西経済を中心としたテーマでお話しをいただくというもの。

この手の講義は、スピーカーの先生によって内容・熱量・関心度が全然変わってくるのですが、総じて非常に興味深い内容であったなぁと思います。
主宰教員の先生が非常に人脈広く、色々な活動をされてきたという経緯もあり、様々なテーマでの講演となったのは、社会人大学院ならではのような気がします。

後期は関西のベンチャー企業経営者を中心にお招きするとのことなので、そちらも楽しみです。

研究公正

大学院とは(本人の意図はともかく)研究機関であり、そこで学ぶ院生の活動も研究として定義されることから、全学での必須科目となっています。
学習方法は、外部機関(科学技術振興機構)のe-ラーニング、グループディスカッション、レポート提出で構成されています。
論文の盗用、研究データの捏造といった、学部レベルでもたたき込まれる内容は言うに及ばず、論文投稿時のルール、利益相反、共同研究、データ管理、研究費の取り扱い*1など多岐にわたります。

本筋ではないのですが、プレゼンツールとしてmentimeter(https://www.mentimeter.com/)というインタラクティブ・プレゼンツールが使われていました。
その場でクイズ出題/回答ができたり、いいね!をつけることができたり。
内容的には退屈なモノなので、そのような形で講義のメリハリがつくのは非常に素晴らしいなぁと感じ入った次第。


というわけで、全然役に立たない振り返りを書いてきました。
今後は、各科目ごとにもうちょっと掘り下げた内容を、自分自身の学習メモを兼ねて書いていければとも思ってたり思ってなかったり。

後期に向けてゼミも本格化し、コースワークもより高度化していくとのことなので、しっかりとついていきたいと思います。

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*1:無論、修士で研究費の支給などあるはずもないですがね…w

春学期おさらい

こんにちは。

弊学は2学期制となっており、7月末で春学期が全て完了しました。

今学期で履修した科目は全て試験なし・一部の科目で期末レポートの提出ありということで、絶賛期末レポート執筆中ですが、まずは一区切りということで各科目のおさらいなんかをしてみようと思います。

コロナ対応で色々とややこしいのですが、これもまた何かの参考になれば幸いです。

履修科目の一覧
科目(名称は仮称で) 開講時期 曜日 講義方法
経営学特論その1 春学期前半 月曜日 資料のみ
経営学特論その2 春学期前半 火曜日 Zoom
経営学特論その3 春学期前半 水曜日 非同期動画&Zoom
財務会計特論 春学期前半 金曜日 対面
経営科学特論 春学期後半 月曜日 対面
労務管理特論 春学期後半 火曜日 対面
経営情報特論 春学期後半 水曜日 非同期動画&対面
管理会計特論 春学期通期 土曜日 対面
経営学特別 春学期通期 土曜日 対面
研究公正 春学期通期 - 非同期動画&Zoom&対面
経営学特論

経営学の中でも、経営戦略論、経営組織論、組織行動論に分けて3つの講義を受講しました。
ここで学んだ概念・学説・理論は、この後の他の講義でも何度も繰り返し出てきたので、ホントに基礎中の基礎を固めた講義でもありました。

昨今の経営学(というか社会科学全般かも)は、心理学との境界が薄れてきており、組織行動論なんかはほぼ心理学の理論を学ぶ講義だったのが特徴的です。
(経営組織論は、産業組織論(=経済学)から発展した分野)

また、経営戦略論の領域では、特に競争戦略に関する最新研究の検討に重点を置いた議論がなされました。ポジショニング・アプローチや資源アプローチによって説明される伝統的な競争戦略論の限界に関する議論と、その限界を拡張しようとする最新研究の取り組みは非常に興味深かったです。

これらの議論を通じ、経営学の基礎を改めて固め直すことができました*1

唯一残念だったのは、その1の講義が、「初回講義時に全資料と全課題を配布」、「講義動画・音声等は一切なし」、「質問への対応も一切なし」だったこと。
いくらコロナ禍とはいえ、これじゃあ講義の体をなしていないのでは…と感じざるを得なかったのはちょっとなぁと…

教科書・参考文献はこちら。レベル的には学部生でも全然使える文献だと思います。

財務会計特論

こちらはコロナ禍でも、少人数で大教室、全力換気という感染対策を施した上で対面で行われた講義となります*2
一定の会計知識を持っている人にとっては、種々のルールの裏付けを学べる講義で非常に楽しめましたが、初学者にはちょっと誤解を招くネタが多かったかもなぁと思うところも…。その部分こそが大学院の講義だ!と思うところだったりするんで難しいですが。

特にここで繰り返された概念が、「会計は100%正確なものではない」ということ。粉飾的な意味ではなく、原理的にそのようなものだということですね。
この辺り、実務経験があれば感覚的に分かるのですが、あくまでも一定のルールの範囲内で企業の状況を測定しようとする企みですから、何らかの割り切りや意図がそこには含まれているということの理解が、会計を使う上では重要だというお話ですね。
この話の延長線上には、財務分析で企業比較するような論文は、安直には書くんじゃないよって結論が出てきます。会計の持つゆらぎを踏まえた上で、その中で何を見つけに行ったのかという点が重要になってきます。
特に業種が異なるような企業を比較・分析するのであれば、財務分析は第一の選択肢にはなり得ないというのは、アタマに置いておかなければと思う次第。

後期・来年度に続きがあるようなので、そちらでより理解を深めていければなぁと考えています。

教科書・参考文献はこちら。財務会計の教科書といえばコレみたいなやつです。

経営科学特論

経営科学というタイトルがついているのですが、実はここから連想されることとは違うことをやってました。
内容は主に3つに分かれ、

  • 研究の進め方
  • 因果推論の方法
  • 統計ソフト「R」の使い方

という内容だったりしました。

研究の進め方については、Twitterの方でもつぶやいたのですが、リサーチ・クエスチョンと仮説が立てられれば論文は書けたようなもの。

あとは論文として自分の意見を適切に表現するために、IMRAD形式でしっかり書いていければOKです。
余談ですが、IMRADのことを誤解している人って多数いるようで、部→章→節…みたいな形式も大事なのですが、そこじゃないよってことは改めて理解が必要ですね。

教科書・参考文献はこちら。『ビジネス・リサーチ』は、慶應通信で卒論に取り組み始めてる人なんかには絶対オススメです。
あと、『孤独なボウリング』はクッソ高いので購入する必要は無いと思いますが、社会科学の研究のお手本中のお手本みたいな書籍なので、興味のある向きは図書館などで借りてご一読を。

ちょっと長くなったので、続きは改めて…

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*1:別に慶應批判するつもりじゃないんだけれども、慶應通信経営学は基礎的なお話がすっ飛びすぎなんじゃないかなぁと感じたり…

*2:大学のルールとして大学院、特に社会人サテライトは一律オンライン化の対象外だった。

院試のお話し

こんにちは。

前回はチャレンジしようと思った動機であるとか、現在の環境の四方山話をさせていただきました。

 

今回は、院試のお話しなどを書いてみようと思います。

これは弊研究科に限ったお話しとなりますので、他大学の大学院への進学をお考えの方にはどこまでお役に立てるか?という懸念はありますが、少しでも参考になれば幸いです。

1. 志望理由書

A4の用紙1枚に、志望理由と入学後に研究を希望する内容を記載せねばなりません。

慶應通信ではかなり短かった記憶がありますが、今回は志望理由が600文字、研究希望内容を800文字くらいにまとめました。

 この辺はどこの大学でも一緒でしょうし、何を書くべきか?というのも、そんなに特筆すべきことは無いかなぁと思います。強いて挙げるなら、研究希望内容はこの後に求められる書類と深く関わってきますので、しっかりと整理しておいた方が良いです。

2. 研究計画書

ここで研究計画を明らかにします。記載すべき内容は、「研究テーマ」「当該研究の目的と意義」「研究の進め方」となります。

おそらく慶應通信の流れでご覧いただいている方も多く、卒業論文に入っている方も多いんでは無いかなぁという想定で例えさせてもらうと、学部の卒論構想とは要求されるレベルが全く異なります。

修士論文につながる内容ですから、とにかくまずは研究としての新奇性が重要です*1

また、その研究がどのような意義があるのか?も重要です。一つの研究として完成させるためには「世の中の誰かに興味を持ってもらえる」テーマであることも重要になってきます。

卒論レベルだと、自分の興味・関心で進めることができますが、修士以上になってくると、「誰が興味あるねん」というツッコミを受けるようなテーマでは成立しない(という指導教員のお話)という点を念頭に置かなくてはいけません。

また、研究手法も重要になってきます。経営学の場合、「定量分析」「事例研究」のいずれかが主な手法になりますし、データの収集についても、公開事例を扱うのか、アンケートを取るのか、インタビューを行うのかといった点も明確にせねばなりません*2

これらのような細部までキッチリと練り込んでおくことが重要だと思います。

3. 論文

弊研究科では、論文の提出も求められました。論文のテーマは、「自分の研究テーマに関わりがあるもの」で5,000字程度という指定でした。

というわけで、自分でテーマを設定し、論文の形に仕上げる必要があります。小論文とかレポートとはこの点が違いますね。

さらに、自分の研究テーマに関わりがあるものとなるので、要は修士論文のイントロダクションとなる内容であることが求められました。

というわけで、3つの書類の中で一番労力をかけたのが論文となりました*3

研究計画書に沿った内容で、入学前の段階でどこまで論じることができるかというのが重要だと思います。また、研究内容の一端を示すものですから、ここで教員の方々に興味を持たせられるか?が勝負になるのではないでしょうか。

4. 面接

上記の書類を提出して1月半ほどしてから、面接試験と相成りました。弊研究科の社会人入試では、書類+面接の総合評価でしたので、足切りはなく、全員が面接に挑むことになりました。

面接する指導教員は3名。内容は提出した研究計画の詳細及び論文で示した研究内容に関する質問が主となりました。

要は、卒業論文の総合諮問と思えばOKかと。自分の研究テーマがどれほど価値があるか、そのことがどのように役立つか?という点をアピールすることに専念します。

ここが上手くいけば、面接の後半ではテーマの周辺事情に関わる内容に変化します。自分の場合は、ある業界の経営戦略をテーマとしたのですが、面接の後半ではその業界の現在の環境であるとか、固有の商慣習に関するお話しなどをさせてもらいました。

 

これらのハードルを無事クリアできれば、晴れて合格となります。

弊研究科の入学倍率は2倍程度であり、他大学でもほぼ同様の倍率であると聞きます。そして、入学定員ありきの選考では無く、多少の定員割れがあっても、水準に達していないようであれば不合格とするようになっています。

ですので、十分な準備をしてから臨まれるのが良いのでは無いでしょうか?

相も変わらずとりとめの無い話となってしまいました。ご質問等あれば、コメントやTwitterの方にいただければ、もう少し具体的にご説明できると思います。

ありがとうございました。 

*1:「卒論も学術研究の一端だから云々」という話がありますが、いざこの段に来てみると、卒論で学術研究云々とか考えてたのが小っ恥ずかしくなってます。

*2:アンケートとかインタビューをする場合は、研究倫理上問題なく集められるかも重要。

*3:慶應通信のレポートが比にならないくらい馬力いったかも。

動機とか現在の環境とか

というわけで、先のご挨拶に続いての実質初投稿です。 

進学の動機とか、簡単な研究テーマとか、どういう状況で学んでいるか?といったところからまずは書いていきたいと思います。
※久々のブログ書きなのでリハビリも兼ねて…

目次

【そもそもの進学動機】

まぁ、大きなところでは「学部を卒業したから」てなところが大きいかなぁと。

元々は、学歴コンプだったり、転職時に必要と言うことで通信制大学に入学し、そして無事卒業できたので、その点では目的はすでに達成済みなわけです。

一方、自分の卒業した大学(特に通信課程)は、いったん卒業しても別の学部に再入学したりする人も多く、その点では再入学というのもオプションとしては存在したわけです。

そういう状況下で「さてどうしよう」と考えたとき、自分の中で再入学はないなぁと思っておりました*1ので、そのまま普通の社会人に戻るか、院進するかの2択になりました。

そんな中、仕事の絡みで経営について色々と考えなくてはいけない*2日々が続いたこともあり、そんじゃいっちょ頑張ってみますか!ということで、院進を選択した次第。

あと、できればD進もしたいなぁと最近は思うようになってきました。どうせやるならトコトン行きたい気もする今日この頃です。

【どこの院に行ってるのか?】

大阪の某大学の大学院経済学研究科に進学しました。弊研究科は社会人大学院を明確に区別して設置しており、キャンパスも大阪市内のサテライトキャンパスとなっています。ゆえに所属は経済学研究科(サテライトキャンパス)という形になります。
具体的な大学名はご容赦をば…
学生少ないので、秒で身バレしかねませんのでw

なお、取得するのは専門職学位であるMBA(経営管理修士(専門職))ではなく、通常の学位である修士(経営学)となります。
したがって、修士論文の執筆が必須となり、2023年3月の修了を目指して、修士論文の執筆に勤しむことになります。

【院試について】

この辺は後日詳しく触れたいと思いますが、社会人大学院ということもあり、研究計画書&論文による書類選考と、面接選考によって合否判定が行われます。

通常、社会人大学院はこのような形が多いらしく、筆記試験や英語が不要でした。その点は助かった点かなぁと思います。

【日々の学習について】

先に述べたとおり、平日夜間と土曜日に講義を受けています。弊学はセメスター制かつ前後期それぞれ前半・後半に分けて講座が開講されます。一部、全学共通科目であるとか、指導に当たられる先生方がまとめて講義したりといった例外では一般の院生と同じ講義を受けますが、原則として専用のカリキュラムが編成されており、社会人院生だけで受講します。

1回の講義は原則として2コマ*3となり、平日は18時半~21時半まで、土曜日は5コマ受講しているので朝から夕方前まで講義があります。

とはいえ、毎日通っているわけではありません。もちろん人によって色々なのですが、自分の場合、指導教員の先生が「M1はコースワークに集中して単位を集中的に取得すべし」という指導方針ですので、平日は週3日+土曜日に詰め込んでいます。

講義の基本はディスカッション+レポート。レポートはA4用紙2枚くらいが多いですが、毎週書く必要があります。それに加えて予習復習も結構な量が必要。というわけで、確実に学部時代より勉強に費やす時間は多くなりました。

あと、緊急事態宣言下でも、院の講義については人数等を勘案して担当教員の判断に委ねるという状況でした。また、現在は原則として対面講義となっているため、日中はテレワークしてからわざわざキャンパスに通学するという日もあったりします。

【楽しさ・しんどさ】

物理的にはめちゃくちゃしんどいです。講義が終わって帰宅し、食事・入浴済ませると既に0時前後になったりしますし…

が、中身としてはめちゃくちゃ楽しいです。
特に自分の場合、通信制大学だったこともあり、一人での勉強が普通だったこともあり、他の人と一緒に受講するというのが通常というのが新鮮です。

また、様々なバックグラウンドを持っている方がおり、その方々とのディスカッションや、M2の先輩方の修論中間発表での議論などは、自分の世界を一気に広げてくれます。

また、社会人大学院とはいえ、修士課程出あることに変わりはありませんので、教員の先生方も研究者としてお話しをされます。例えば、↓のような呟きをしたのですが、これは正に院で研究をすることを前提として学ぶことができたもの。

日々、大きなことから小さなことまで無数の発見があり、また、アカデミックな世界の一端を覗くことができる体験は何者にも代えがたいものです。

 

とりあえずまずはこんなところで。今後も色々と徒然なるままに書いていけたらと思います。

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*1:再入学者をDisるつもりは毛頭無いですが、自分は大学にそこまでの信心はなかったりしますし。これ以上は学問することより在籍することが目的化しちゃいそうな気もしたので。

*2:エラい人たちが全然経営を分かってない弊社

*3:ゼミなんかは通年科目。あと、一部の科目では学期通しでやる場合もあり、その場合は1講義1コマ